【初心者向け】基礎打ちで使われるショットについて、なるべく分かりやすく解説!

バドミントンのショットについて

はじめに

 こんにちは!どらみです。
私は、現在バドミントン教室のサブコーチとして主に初心者~中級者を対象に技術指導を行なっています。今まで、老若男女問わず約400人以上のスクール生さんの指導を行なってきました。

 今回は、初心者向けにバドミントンのショットについて解説します。細かく解説すると分かりづらいので、今回はウォーミングアップとして用いられる基礎打ちのショットに厳選してお話していきます。

 ショットとは、主に球技に用いられる用語で「球を打つこと。打球」を意味します。バドミントンも球技というジャンルに分類されており、様々なショットを打ち分けることによって試合をより楽しむことができます。

また、基礎打ちとはバドミントンの練習や試合前に行うウォーミングアップの一種です。実際にショットをコート内で打ってみることで、羽根の打つ感触や飛び方、風向きを確認することも目的としています。

バドミントンのショットと概要

 一言に基礎打ちといっても、具体的に「基礎打ちで打つショットはこれだ!」というものはなく、ショットの種類や時間、順序、場面によって 個人差があります。特に、大会などの試合直前のウォーミングアップにはコート内での練習時間が限られているため、打つショットを厳選し効率的に行う必要があります。

 今回は、一般的に用いられている基礎打ちのショットに厳選してお伝えします。 コートの後方側(エンドライン付近)、中間側(エンドラインとネットとの中間付近)、前方側(ネット側) に分けてショットを解説していきます。各ショットの具体的な打ち方や練習方法については、後日改めて別記事にて解説いたしますので今回は割愛します。

コート後方から打つショットについて

ラケットの振り方

 エンドラインから打つショットの多くは、主に”オーバーヘッドストローク“というラケットの振り方をします。(※試合の状況によってサイドストロークの場合もあり)

 オーバーヘッドストロークとは、シャトルとラケット面が接触するインパクトの瞬間が頭上にあるため、攻撃と守備両方のショットを打つことができます。具体的なラケットの振り方についてここでは触れませんが、よく“ボール投げ”を例えに挙げて身体を使うことを意識してもらいます。

具体的なショットの3種類

クリアー

 クリアーとは、コート後方から相手コート側のコート後方まで高く羽根を打つショットです。クリアーには守備的な側面と攻撃的な側面の2種類に使い分けられます。主に守備として使用されるものをハイクリアー、攻撃的側面として使用されるものをドリブンクリアーと呼びます。

 ハイクリアーは、シャトルの軌道が高く山なりに相手コートに落ちることが特徴です。高く遠くに打つことで滞空時間を稼ぐことができるため、自分やダブルスのパートナーが不利な状況になった場合に体勢を整え試合を立て直すことができます。

 ドリブンクリア―は、シャトルの軌道がライナーぎみで、速度が速いことが特徴です。主に相手を早くコート後方に追いやりたい時に使うと有効ですが、その半面、相手の返球も速いので試合全体の状況を把握して使用する必要があります。

 2種類のクリアーを使い分けることで、シャトルに緩急をつけることができ、試合中でも多用されています。

ドロップ

 ドロップとは、コート後方から相手コートのネット前にシャトルを落とすショットです。シャトルの軌道が山なりで、後述するカットと比べると速度が緩やかなことがが特徴です。

 ドロップは、後方に相手がいた場合やネット前にあえて意識を向けさせたい場合に有効です。その反面、速度が遅いため、仮に相手にドロップを打つことを気づかれるとプッシュで叩かれる危険性があります。また、シャトルの軌道がネットに近いため、ミスにも繋がりやすいショットでもあります。

カット

 カットとは、コート後方から相手のネット前~コート中間付近にライナーぎみに落ちるショットです。前述のドロップと比較すると、球足が長くシャトルの速度が速いことが特徴です。

 今後、ショットの打ち方は改めて記事にしようと思いますが、打つ瞬間にシャトルのコルク(コックとも呼ぶ)部分をこするように打つことで角度がつき、速さが増します。

一言にカットと言っても実に様々なバリエーションがありますが、ここでは一般的なカットとリバースカットを紹介します。

 通常のカットは、 グリップエンド (ラケットを握っている小指側)からラケットをおろすのでラケットの面が利き手とは逆向きになります。 そのため、インパクト時はシャトルのコルクに擦れるようにあたり利き手とは逆方向に鋭角に飛んでいきます。

 一方で、リバースカットとはラケットヘッド(シャトルを打つラケットの上部)からラケットを下ろすのでラケットの面が利き手向きになります。そのため、インパクト時は利き手方向に鋭角に飛んでいきます。

スマッシュ

スマッシュとは、コート中盤~後方にかけて鋭角に速いスピードで打つショットです。 スマッシュのギネス最高記録は海外の選手で初速が約473 km/秒と球技の中では最速の速さを誇っています。(新幹線よりも早いです)

スマッシュと聞くと、“攻撃的で決め球に使われる”イメージが強いですが、実際では決め球だけでなく決めるための一歩手前の段階相手を揺さぶる時にも使用されます。 また、スマッシュは単に腕の力で打つのではなく、身体の体重移動や回内回外、伸展屈曲など 体の全身を使って打つショットです。

 余談ですが 初心者初級者の方がスマッシュを打つとシャトルは一発で羽の部分が折れます。ですが、上級者になっていくときちんとシャトルがインパクトの瞬間にラケットの面に当たり潰されるので、シャトルの消耗が最小限で済みます。(もちろんシャトルの質によりますが…)

 シャトルの羽部分を当てて打っているのか、きちんとラケット面にシャトルを潰して打っているのかで、上達度合いの判断基準の一つにもなります。きちんとシャトルを潰している人は、使用しているうちにシャトルの芯(羽部分とコルク部分との中間部)が「ぐしゃ」っと潰れていることが多いです。

 スマッシュも1種類だけではなく、一般的なストレートスマッシュやラケット面を切るようにして打つカットスマッシュなど様々にあります。状況に応じて使ることで、相手を揺さぶることができるのです。

主にネット前から打つショットについて

プッシュ

 プッシュとは、ネット前から相手コートの中盤~後方に向けて鋭角に打つショットです。 一般的には、ネット前にシャトルが浮いて上がってきた場合に叩いて相手コートに沈めるというやり方が一般的です。 プッシュもスマッシュと同じく決め球として捉えてしまうと、相手に返球された場合に次の対処が遅くなるため、基本的には“一回で決めて得点を得る”と考えないことが鉄則です。 試合の中でも 「プッシュで決めようとしたが、ネットにひっかかりミスをしてしまった」といことが多いです。チャンス球を誘うためのショットと考えておくことが賢明です。

ヘアピン

 ヘアピンとは、ネット側前方から相手コートネット前方に向かって、山なりにシャトルを落とすショットです。 ヘアピンの言葉の由来は、シャトルの軌道が女性の髪留め(ピン止め)の形に似ていることからその名が付いたと言われています。一見すると、地味で簡単なのように見えますが、実際はとても奥深く繊細なショットです。 よく「ネット前を制する者は試合を制す」と言われますが、試合中のヘアピンの質によって勝敗が大きく左右されます。実際に、日本代表で世界ランキング1位経験者の桃田賢斗選手も、ヘアピンの制度がもの凄く高いです。

ロビング

 ロビングとは、ネット前方に落ちてきたシャトルに対して相手コート後方に山なりに高く打ち返すショットです。(ロビングはロブともいう)

 一般的にロビングは下から振り上げるストロークなので、守備的なイメージが強いですが、他方でアタックロブという攻撃的なロブも存在します。クリアーの時と同じように、守備としてのロビングと攻撃としてのアタックロブ いうように使い分けることができます。

主にエンドラインとネットの中間から打つショットについて

ドライブ

 ドライブとは、床と並行の軌道に打つショットです。一般的には コート中盤の位置から打つことが基本ですが、ドライブにも、ショートドライブやロングドライブ等の球足を変えることができます。ダブルスの試合の中では、一般的なドライブが使用されます。 基礎打ちの中でも、まず初めに打ち合うショットかと思います。

 ですが、初心者の方が練習する際には特に注意する必要があります。というのも、フォアハンドでドライブを打ち合うと、バドミントン特有の回内回外動作を使ってドライブを打つことはかなり難しいです。 ラリーのスピードが速いと、撃ち負けないように少し力を入れて手首を使って打ってしまうため、怪我のリスクが特に高くなります。初心者の方はまず回内回外運動のノックから練習することが望ましいかと思います。

プッシュレシーブ

 プッシュレシーブとは、その名の通りプッシュに対しての返球を指します。 プッシュレシーブの練習をする際には、プッシュが習得出来ていることが前提なので、まずをプッシュを練習した後にプッシュレシーブを習得することが望ましいと思います。

 プッシュは前述したように、ネット前から相手の コートの中盤から後方にかけて鋭角にシャトルを落とすショットですが、レシーブはネット前(ネット白帯付近)を狙って、ドライブ気味に返球するショットです。 一般的に、初心者や中級者がやりがちなのは、相手ネット前に対して山なりの軌道で返してしまいます。そもそも、試合中にあえて同じ場所にチャンス球を返球する必要性はありませんし、かなりリスキーです。また、極稀にプッシュを決めにいってしまいラリーが続かないという光景を見かけることがあります。当たり前ですが、基礎打ちはゲームではなくお互いの練習であるということを常に意識しましょう。

スマッシュレシーブ

 スマッシュレシーブとは、その名の通りスマッシュに対して返球するショットです。 スマッシュに対しても、ロングリターン、ショートリターン、ハーフリターン等、状況に応じて球種を考える必要があります。

 ロングリターンに関しては、サイドスマッシュが打たれる可能性があります。また、ショートリターンやハーフリターンに関しては、相手のトップ&バックの中で相手のコートに穴の箇所に返球し、攻撃に繋げることができます。

 どんなスマッシュに対しても球足を自在に打ち分けられることが望ましいですが、速さや相手スマッシュの角度によって返球のしづらさが異なってくるため、常に“リスク回避”の信念を持っていることが重要です。そして、早めに次の返球に備えた準備をする必要があります。

さいごに

 どのショットにも共通しますが、打点の位置・高さ・体制によって、打ち方やラケットの振り方、打点などが異なります。上記の打ち方に関しては一例に過ぎないため、時と場合で臨機応変に対応する必要があります。

 初めてのことなので、一度に習得しようとぜずに徐々に確実に練習していきましょう。

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