はじめに
こんにちは!どらみです。
私は、現在バドミントン教室のサブコーチとして主に初心者~中級者を対象に技術指導を行なっています。今まで、老若男女問わず約400人以上のスクール生さんの指導に関わってきました。
突然ですが、皆さんは新しい趣味を始める際にどのようなことを考えながら練習に取り組みますか?
新たな挑戦に向けての期待を感じる一方で、「上達するか不安だな」「飽きたらどうしよう」等とネガティブな感情を持つ方も少なからずおられます。今回は、これからバドミントンを始める方に向けて、なるべく楽しみながら“上達するために知っておくべき5つのこと”についてをお伝えしていきます。これらの考えを常に意識しておくことで、日々の練習の質やモチベーションの向上にも繋がると思います。また、既にバドミントンを始めている経験者の方にも直結する内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。
上達するために知っておくべき5つのこと
「“初めて”の今が、一番大事な時期」
当ブログを読んでいる方の中には、これからバドミントンを始めたいと考えていらっしゃる方も多いと思います。そのような方に向けて、まずお伝えしたいことは『今が一番大事な時期』ということです。
誰からも習ったことがないということは、その分野においての専門知識やスキルが備わっていないということです。それは見方をかえてみると、情報を吸収しやすく、良い習慣をつけやすいということでもあります。習い始めの時期からある程度上達してきた時期までの間に培われた経験が、今後の自分の土台となるわけです。その時期に正しいフォームやステップ、フットワークを身につけることが出来れば、更なる練習の質の向上にも繋がります。
逆に、その時期に手打ちや正面打ち等の癖がついてしまった場合、間違った癖がついた状態で練習し続けることになります。長期間、関節に負担がかかることになった結果、思わぬ怪我で苦労するという事態に陥りかねません。「癖なんて後から直せばいいのでは」と思われるかもしれませんが、一度身についてしまった癖を矯正することは想像以上に大変で根気がいる作業です。実際、私が指導している方でも、なかなか癖が直らず苦労されている方が多くいらっしゃいます。そうならないために、習い始めの時期に正しい癖作りを身につけることが特に重要となります。
そのように考えると、“初めのうちにどのような指導者に教わるか”ということも上達する上で大切な要素の一つです。指導者の選定に関しては、相性もあるため実際に直接指導を受けてみて判断することをおすすめします。また、上達度合いについては練習者自身の元々の身体能力や週の練習時間によって左右されるため、一概に指導者の良し悪しを判断する基準とは言い難い部分もあるのでご注意ください。
「上達へのカギは、“能動的”に練習に取り組むこと」
部活動やスクールでは、一般的に指導者が練習内容を決めて進行していくという練習形式が大半かと思います。基本的にはボランティアや学校教師でもない限り、指導者に一定の指導料が支払われるため、むしろ当たり前のこととも言えます。
しかし、このような練習形式には欠点があります。それは、指導を受ける側が受動的に練習に取り組んでしまうという点です。指導者が言ったことに対して従うのは簡単ですが、実際に試合や他の練習に生かすことが出来なければ意味がありません。具体的に何を目的にして練習をしているのかを自分で考えて反復練習するからこそ、実践にも繋がるわけです。ただ受け身で練習に参加するのではなく、練習の意図や根拠、試合中のどのような場面を想定している練習なのかをしっかりと考えて能動的に取り組むことが重要となります。
また、もう一つお伝えしたいことは指導者が行なっている練習が、必ずしも自分に合うとは限らないということです。これは、単に指導方法が間違っているというわけではなく、“個人によって向き不向きがある”ということを意味します。人間は、性別や年齢だけでなく、体格、筋肉量、身体能力や過去の運動歴等、実に多種多様です。それは指導者においても同様で、各々の指導者によって練習方法が多少異なります。多種多様な練習者がいる中で、皆が同じように上達する指導方法など存在するはずがありません。同じ指導方法でも、人によって上達度合いに差がでることはザラにあります。
大事なことは、練習を受ける側が情報を取捨選択し、自分自身に合ったやり方を見つけ出すことにあります。そのためには、ただ言われたことに対してただ従うのではなく、常に考えて能動的に練習に取り組みましょう。
「練習は地味でつまらないのが、当たり前」
よく初心者の方から「上達するためには、どういった練習をしたらいいですか?」と聞かれることがあります。
その方がどのくらい上達したいのか、ジュニアか大人かによって変わってきますが、本気で上手くなりたいと思うのであれば“家でひたすら素振りをしてください”とお答えしています。さすがに部屋の中でラケットを振り回すのは危険なので、まずは片手で持てるくらいの長めのタオルを持って素振りをすることを推奨しています。他にも、バドミントンにおいて重要な回内回外運動もお風呂の浴槽の中でしゃもじを使って行うことができます。また、うちわを仰ぐ動作も同様です。
どのスポーツ競技においても同じですが、ただシャトルを打ち合うという対人練習だけでは上達できません。仮に、シャトルがラケットに当たるようになってきたとしても、それ以上の上達は望めません。それで上手くなるのであれば、皆さん苦労していません(笑)
私も学生時代に入部した当時は、コートに入ることすら許されず、3か月くらい体育館の舞台上でひたすら素振りとサーブ練習をしていました。当時は友達がいたから乗り切れたものの、一人だったら確実に退部していたと思います。そのくらいつまらない練習でした。しかし、今思えばあの下積み時代があったからこそ、正しいフォームが身についています。日本代表の選手だって、幼少期から何十年も地味でつまらない練習を繰り返してきたからこそ、レベルが高く試合でも勝つことができるわけです。
“上達しなくていい!ただ楽しみたい!”という方であれば、もちろん沢山シャトルを打ってください。ですが、上達して試合に勝つことを目的とするのであれば、まずは基礎から見直しましょう。
「上達度合いによらず、基礎練習は常にやるべき」
練習を始めて、ある程度上達してきた初級・中級者の方に多いのが、“応用練習にこだわる方”です。私個人の肌感覚ですが、特に男性の方や比較的年齢が高い方に多い傾向にあります。(やたら見栄えにこだわって練習をしたり「日本代表の○○はこうしてる」「Youtubeの○○さんはこう言っていた」等と、いかにもミーハーな発言をしている方は要注意です)
そのような方の中には、今まで本格的に指導されたことがなく今まで自己流で練習してきたり基礎練習を十分にしてこなかった方も多くいらっしゃいます。もちろん熱心に練習したいという姿勢は素晴らしいのですが、そもそも基礎ができていないので、応用が身につくはずもありません。練習中に応用が出来たとしても、実際に試合で実践できるのはかなり稀です。
技術がある上手な方というのは、自分のレベルに関係なく常に基礎練習を習慣的に行なっています。実際に、私の周りの指導者や強豪校出身の方も例外なく、基礎練習を行なっています。素振りやフットワーク、筋肉や体幹トレーニング等、地道な努力の積み重ねがあってこそ真の強さに繋がっていくのだと思います。
「自分を“客観視”できることが、上達の近道」
上記の、基礎練習するということにも関係してきますが、「自分は基礎をマスター出来ている!」と錯覚している方が非常に多いです。そのような方が基礎をすっ飛ばして応用練習ばかりやりたくなるのだと思います。ですが、自分を過大評価しているうちはそれ以上の上達は見込めません。では、自分がきちんと基礎とした土台が出来ているかどうか、どう判断すればいいのでしょうか?
一番良いのは、普段自分が打っている様子を動画として残すことです。自分よりも上手い方に判断してもらってもいいのですが、判断される方が本当に判断できるのか分からないですし、もしかしたら気を遣って本当のことを言えないという可能性も否定できません。動画で撮って自分で見返した方が、理解しやすいですし一番説得力がありますからね。
そして、Youtubeで見本となる人の動画を検索して自分の動画を並べて見比べてみてください。この方法であれば、自分でも判断ができるはずです。もしどうしても動画を撮ることができない場合は素振り(オーバーヘッド、アンダー、サイドストローク等)を鏡で見てるだけでも良いです。代表選手を見ても分かるように、上手い人というのは例外なくフォームが綺麗です。真似することこそが上達への近道であるとも言えます。
そして、上達するか否かの境界線は『自分を客観的に見ることができるかどうか』というイメージ力に尽きると思います。初めのうちは意識して行わなければ難しいかと思いますが、徐々にイメージすることが習慣化すれば更なる上達に繋がるはずです。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
当たり前と思われるかもしれませんが、実際に日々意識的に考えて練習されている方は少ないのではないかと思います。限られた練習時間の中で練習していくことは大変ですが、努力した分だけ結果はついていくものだと思います。そのような自分自身の変化や成長を感じながら、日々楽しく練習していってみてください。